専城乳児保育園 ~子ども達の「今の気持ち」と「今の発達」に寄り添う優しさを大切にしています。~

理念ブログ

試し行動

2019年1月20日

 先日理念ブログで紹介した、フードバンクの活動や子ども達の未来をサポートする活動を長年されている原田昌樹さんの事を今回も書かせて頂きます。

 原田さんは、北九州市の専門里親にも認定されていて、今まで様々な事情から両親に育てられない子どもを何人も預かって親のかわりに養育されてこられました。その中でAちゃんのことをお話しして下さいました。

 Aちゃんは、本当にかわいい子だったそうですが、ゆきずりで出来た子で母親から愛情をもらえず、「この子の顔も見たくない」と1歳8か月の時に施設に預けられたそうです。そこで縁あって原田さんが里親として引き取ることになったのです。

 原田さんは、施設の職員の方からAちゃんの好きなモノや、食べ物など聞き、Aちゃんの為にそれらを準備したのですが、Aちゃんは、原田さんの目の前で、物凄い形相でプレゼントを壊したり、食べ物をひっくり返したそうです。原田さんご夫妻は、ショックを受けながらもその後も根気よくAちゃんに寄り添い、何とか心を開いてもらおうと一生懸命養育していかれたそうです。

 しかし、ある日Aちゃんの為に大好きないちごケーキを用意して、Aちゃんに食べてもらおうとした時、Aちゃんが「いやー」といってケーキをぶちまけた時、原田さんの心が折れて、一度だけAちゃんを物凄く感情的に怒鳴りつけてしまったそうです。それで落ち込んで、児童相談所の職員の友人に相談したら、その友人が、「原田さん。試し行動って知ってるでしょう。それですよ」と言われたそうです。

 その人が人間関係をちゃんと結べる力は、3歳で8割、6歳で9割完成するそうです。それは、家族から(特に親から)愛情を注がれることによってその力が養われていくのです。Aちゃんはこれまで親から愛情を受けずに育ってきたので、身近な人に対する不信感が形成されていました。自分の一番醜い姿をさらけ出して、「これでも本当に私の親になれるのか」と原田さんを試していたのです。

 原田さんは言います。「何度も問題行動をしたり、わざと困らせたり、嫌な態度をとったとしても、それでもその子を抱きしめ続けていったならば、この人は私の親になってくれると本能で解る。本能で解ったら拒絶はなくなります。2歳なら4年かかります。5歳なら10年かかります。大人ではもう難しい。乳幼児期に本当に愛情を注いでください。この時期が最も親の愛情が必要なのです。この時期の愛情不足がその子のその後の人生に大きく影響を与えていくのです」

 原田さんのお話をお聞きし、乳児専門の保育園として、私たちは、子ども達にとって本当に大切な時間を預かっているのだということ改めて肝に銘じたことでした。

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