専城乳児保育園 ~子ども達の「今の気持ち」と「今の発達」に寄り添う優しさを大切にしています。~

理念ブログ

仮親(かりおや)

2019年9月9日

 よく、最近のお子さんの名前は読み方が難しいといわれます。確かにそう思いますが、使われている漢字から親御さんがその子にかけた願い・思いは、充分に伝わってきます。

 今では少なくなりましたが、昔は「名付け親」なんていう習わしもありました。実の親以外の人に名前をつけてもらい、仮の親子関係を結んで、将来の生活の後見にあずかるのです。

 これは、「仮親」(かりおや)といって、昔の人の子育ての知恵の一つです。仮親とは、血縁関係によらず、子どもの成長のさまざまな場面でその子を支える擬制的な親子関係のことです。

 江戸時代の子どもは、「村の子ども」(共同体の子ども)としての意識が強くあり、しかも乳幼児の死亡率が高く、子どもを成長させることが困難だったので、一組の親によってのみで育てられるのではなく、多くの人びとで子育てを行っていたのです。

 そこには色んな「仮親」がありました。妊娠五ヶ月目に安産を願って岩田帯を贈る「帯親」(おびおや)。出産時にへその緒を切る「取り上げ親」。出産直後に赤子を抱く「抱き親」。丈夫に育つよう、形式的に捨てた赤子を一次的に拾って育てる「拾い親」。生後数日間、お乳を飲ませてくれる「乳親」(ちおや)。4,5歳まで面倒を見てくれる「守親」(もりおや)。“帯解き”(着物の付けひもをとって、初めて普通の帯を締める)に立ち会う「帯解き親」。成人式にふんどしを贈る「へこ親」。婚礼時に仲人を務める「杯親」(さかづきおや)。

 これらの仮親たちは、その子の生涯にわたって見守る役目を持っており、いわば子育てのセーフティーネットとなっていたのです。昔はみんなで子育てをしていたのです。

 翻って現代では、それぞれの親御さんのみで子育てを行っているケースが多く、それ故に、親御さんの育児への負担、不安、孤立感は大きいと言われています。

 専城乳児保育園は、そんな大変な思いでおられる皆さんの子育てのお手伝いをさせて頂き、少しでも力になれればと思っています。

 

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