専城乳児保育園 ~子ども達の「今の気持ち」と「今の発達」に寄り添う優しさを大切にしています。~

理念ブログ

はいはい

2021年5月12日

 「魚つき林」(うおつきりん)という言葉をご存じでしょうか。古来、漁業を営む地域では、立ち入り制限をしたり、間伐などして海岸の森林を育て守る習慣がありました。

 森や林に降った雨は、葉や腐葉土の中に蓄えられ、栄養分が溶け、川から海に流れ込みます。それが植物プランクトンや海藻の栄養源となり、それらを餌とする様々な生物がそこに生息するようになります。その食物連鎖の中で、大小多種な魚もそこへ集まってくるのです。

 昔から漁師さんは、豊かな森林があるからこそ魚が集まるのだということを充分認識していたのです。現在でも日本では、漁業を支える目的で約5万ヘクタールの森林が保全されているそうです。

 近年、はいはいをしない赤ちゃんが増えています。(ある調査では、ずり這い,四つ這い,高這いのいずれも発現せず歩行を開始した乳児が 11.1%もいたそうです)

 原因は色々いわれていますが、最近では座敷など畳の部屋が少なくなったのでなかなかスペースが取りづらく、しかも部屋にものが溢れているので、すぐつかまり立ちに移行したりするといった環境面も大きく影響しているのではとも言われています。

 乳児の成長にとってはいはいはとても大切な過程です。充分にはいはいをさせなかったり、はいはいの時期をとばしてつたい歩きをしだしたりすると身体の発達が成熟せず、その後の発育に影響を与えてしまう可能性があります。

 はいはいは、首や肩の筋肉、背筋、腹筋、手指の筋肉など全身を使った運動ですが、特に背筋が鍛えられます。背筋は歩行の際、バランスをとるのに非常に重要な筋肉です。

 また、はいはいすることで、目と手、手と足など、二つ以上の部位を同時に使う協応動作が上手にできるようになり、歩行できるようになった時でもコケそうな時に、とっさに手を伸ばすなど、反射神経も鍛えられていきます。

 また、脳の発達においても、海外の研究によると,乳児のはいはいの発現と脳活動との関連について,はいはいいの期間が長くなればその時点での,自発的・能動的な動きを行いながら空間認知する能力や対象物を探索できる能力が高まるとされています。

 さらに別の研究では、はいはいの発現の有無と発達について,乳児期にはいはいを発現した幼児のほうが視覚と手の協調運動やバランス感覚,社会性の発達が優れているとの報告もなされています。

 この様に、乳児にとってはいはいは非常に大切な成長過程です。豊かな森があってこそ、豊かな漁場が出来るように、充分なはいはいの時期があってこそ、その後のしっかりとした心身の発育があるのです。

 だからこそ、日頃からはいはいの前段階である腹ばいをさせながらの遊びを意識的にさせたり、赤ちゃんが思う存分動き回れるような環境を用意したりして、しっかりはいはいをさせてあげたいですね。

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